2016年4月17日日曜日

 ラオポーの優雅な生活も、最近はもう優雅さとはかけ離れている。原因はもちろん大きな腹だ。既に予定日を五日過ぎているので、相当な大きさだ。
 もともとラオポーは、台湾で産む予定だった。が、今現在私と一緒に日本にいる。日本で産むことにしたのだ。
 出産にどうしても私が立ち会いたいのが理由だ。二人でかなりの時間をかけ話し合ったが、結局こうなった。
 ラオポーとしては言葉が不自由な日本で産むのはやはり不安がある。しかしなにも洞穴、ジャングルの奥地、北朝鮮の政治犯収容所で、子供を産めと言っているわけじゃない。
日本のちゃんとした病院なのだ。21世紀の今日これは大した、話じゃない。
 今日の朝、ラオポーは出血した。夜には時折、お腹に痛みを感じている。どうやらその時が近いようだ。

2016年1月6日水曜日

愚痴

 少し前にラオポーの兄貴夫妻が日本旅行に来ていた。私は可愛げのない姪っ子にも愛想を振りまき、車で色々連れ回してやった。そして帰って行った。お土産をたんまり(大陸野郎どもの爆買いには及ばないが。…)サムソナイトのスーツケースに詰め込んで。  それが、後日、ラオポーのお袋さんがラオポーにたんまりと愚痴をこぼす原因になった。  あれだけ大量のお土産だったが、ほとんどは兄嫁の実家に行ってしまったとお袋さんは怒っている。  お袋さんは、兄夫婦と同居し共働きの二人に代わり、二人の子供の面倒を見て、家事もほとんど全てやっている。兄嫁はお嬢様育ちなので、家事は買い物から掃除まで何もしない。  子供が生まれた時には100万円くらいのお祝いを送っている。この金額は異常であると言って良い金額だ。お袋さんは死んだ親父さんがそれなりの資産を残して入るが、決して金持ちではない。せいぜい小金持ち程度だ。まぁともかくこれだけ尽くしているのにこの仕打というわけだ。お袋さんの性格上、お土産なんて何も買ってこなくていいよ、とは言っているのだが実際には、物凄く買ってきて欲しいのだ。兄貴の方はお袋さんがそんな性格であることは百も承知しているはずなのに、ほとんど何も買っていかなかった。  それで怒りが収まらないお袋さんは、ラオポーに愚痴りまくる。決して兄夫婦には文句は言わない。私はラオポーから兄貴の方に伝えればいいのにともうのだが、ラオポーもそれをしない。  お袋さんは家政婦のような毎日をおくる。私はこう思う。俺の知ったことじゃない。

2015年12月11日金曜日

風呂

 家にはアメリカ人の二十歳の女の子がホームステイしている。クリスという。
 ラオポーはこのクリスをあまり気に入っていない。好き嫌いが激しいのと少し変わっているからだ。 ラオポー本人も変わっているところがあるのだが。とにかく気に入っていない。
 クリスは普段、シャワーを朝浴びるだけなのだが、たまに湯舟にもつかる。
 ラオポーはクリスが私の後に同じ湯船につかるのがいやらしくないか?と言う。私は何を言ってるのか理解できないが、湯船につかる習慣のない国の発想、だとは思った。
 台湾は日本以上に湿気が酷いので、日本人と同じように必ず毎日入浴する、だが普通はシャワーを浴びるだけだ。浴槽がないのが一般的だし、ほぼ100%トイレとくっついている。(浴室という言葉はあるが一般的でなく、トイレでシャワーを浴びると言うような言い方をする。ラオポーは日本の家でもその言い方をする)
 また浴槽がついてても取り外してしまったり、とにかく浴槽にほとんど馴染みがない。だがほとんどの家、マンション、アパート(最新の建物を除いて)の水道と給湯器の性能がとんでもなく酷い。水圧も弱く、お湯もちょくちょく水に変わる。対策としてクソでかい桶や鍋なんかを置いて、そこにお湯を溜めて使う、それなら浴槽をあったほうが便利だろうという非効率的な事になっている。これは私が台湾に住んでてかなり不満だった点だ。
 ラオポーのうちもこんな感じで湯船につかる習慣がないので、このよくわからない、いやらしいという感情が湧いてくるのだろう。かと言って一人一人にお湯を入れ替えるのも面倒くさいので、黙殺するのみだが。

2015年12月4日金曜日

台湾の神様

 少し前、ラオポーの女友達が日本に遊びに来て数日うちに泊まり帰っていった。その時に御守を忘れたとかで、ラオポーが慌てて台湾に送った。
何を慌てているのかと思ったが、数日後ラオポーが私に理由を教えた。
 それがないと幽霊が見えて、見えてしょうがないだそうだ。
 私は基本的にこういった話は、信じない。だが、本人が見えるというなら見えるんだろう。場合によっては病院に行ったほうが良い。
 だがラオポーはこういう類の話を信じる。ラオポーはその友達、Nとしよう、そのNの話をした。
 数年前から始まったらしい、ある日突然に。見えるだけではなく肉なんかも体が受け付けなくなった。
 ある日、Nが友達の家に遊びに行った、そこの居間には関帝の祭壇がある。日本でいういところの神棚や仏壇みたいなもんで珍しくない。ちなみに関帝というのは三国志の関羽が神になったものだ。するとNに関帝が話しかけてきた。明日、お前は土地公(神様の名前だ台湾にはそこら中に祀られている)のどこどこの神社に行きなさい、理由は聞いてはならない、と。
 Nは素直に言われた通りの神社に行ってお参りした。(私もこの神社には行ったことが二回ほどある、かなり有名な神社だ)お参りが終わると見しならぬ子連れの男性がNに話しかけてきた。あなたの名前はNかい?と。Nは当然驚いた。
 その男性はなぜ名前を知っているか理由を話した。昨日の夜に夢に土地公が出てきて、神社に行きNという女性を家まで送れと言われたというのだ。男性は半信半疑神社に来たら、Nがいたというのだ。
 子連れとはいえ、やはりNは女性なので見知らぬ男性の車に乗るのには抵抗がある。そんな素振りをみてその男性は自分は警察官なので信用してくれてと警察バッジを見せたそうだ。Nはそれならと家に送ってもらった。やれやれ気の利いた神様じゃないか!!
 ちなみに私の家で数日過ごした間にも何かを見たらしいが、ラオポーは怖くて聞いていない。

2015年11月23日月曜日

 妊娠も半年くらいになり、何回目かの検診。医者が超音波で胎児の様子を見ながら、性別を知りたいか聞いてきたので、知りたいと答えた。
 男だった。
 病院から出ると、ラオぽーが泣きそうな顔して女の子がよかったと言った。というよりうっすら泣いていた。
 私はペットの性別じゃないんだ、今の話を生まれてきた子供に聞かせることができるのかと、本気で怒った。
 ラオポーはグダグダ言っていたが、私は一切聞かずに、もう二度と子供みたいなことをするなと言った。
 ラオポーは一応、私の話を理解はしたようだが、本当にどうおもっているかはしらない。

2015年11月7日土曜日

 ラオポーが新しい友達を作った。近所に住んでる台湾人でラオポーより10歳くらい年上の女性だ。
 なんか話によると大物で名古屋市長と飯を食うくらいらしい。コンサートを仕切ったり色々してるしてるらしい。なんかよくわからないが大物だ。
 日本人の恋人が名古屋に住んでるので、こっちに住んでるのだが、恋人の父親に結婚を反対されていまはただ同棲している状態だ。なのでビザがないので三ヶ月に一回台湾に帰る生活を送ってる。
 それで色々と日本人は結婚についてどうなんだと聞かれたらしいが、私の一家は変わっているので、参考にならないと答えたらしい。
 確かにそうなのだが、40超えたおっさんが親に結婚反対されて、何にもしないってのも、だいたい同じくらい変わっていると思う。

9、犬

 妊娠も五ヶ月目になり、酷かった悪阻も腹痛も大分収まった。前は深夜に腹痛で眠れず汗びっしょりになってたりしたが、もうそんなこともない。
 最近は赤ちゃんも大分大きくなったようでお腹の中で動くようになってきた。
 で最近のラオポーの関心事は、台湾のことだ。馬英九と習近平が会談するというので怒りが収まらない。
 馬英九を馬英狗と呼んでずっと怒っている、まぁ当たり前だが。
 中国語で九と狗の発音は韻を踏んでいるので、ちょうど呼びやすい感じなのだ。

2015年10月25日日曜日

在留カード

 入国管理局へ行ってから2週間後。果たして無事更新の手続きが済んだというはがきが来た。これをもって入国管理局に行けば新しい在留カードがもらえる。その際には4千円の収入印紙がいる、くそったれ。  私はもうただ取りに行くだけが面倒だったので、母親に暇な時に車で送って行ってもらうように頼んだ。これで一件落着だ。次の更新までは。  そしてラオポーが新しい在留カードを取りに行ってきた。期限を見てみるとまた一年。次は3年か5年じゃなかったのか。  といっても、子供ができたので、更新の必要がない資格に変る。らしい…が。  

2015年10月18日日曜日

妊娠後

 妊娠3ヶ月。ラオポーの口癖は「吐きそう」。当たり前、だが。
 私は妊婦といえば、みかんとレモンばっかり食うと思っていたが、全然違った。炭酸を飲みまくっている。ほとんど毎晩コンビニまで買いに行かされる(道路の向かいにあるので、大した距離じゃない)。
 スプライトを手渡すと、さっと一口のみ、はぁとため息を付いて、吐くところだった一言。ほとんど薬だ。
 それに風呂嫌いになった。前はちょっとでも汗を書くとシャワーを浴びて、一日に2,3回入浴していたのに。妊娠後の今では全然変わった。
 髪が脂ぎっているのでどうしたのか聞いてみると2日くらい入ってない、そして3日目に途中する気満々。とか最近はそんな感じだ。私がさっさと風呂にはいれと怒らないと入らない。
 にしても、お腹の中の赤ちゃんは順調だ。
 

2015年10月12日月曜日

 ラオポーの在留カードが発行されてから約一年がたった。つまり更新の時期である。
 ラオポーがすっかり忘れていたので、危うく期限切れになるところだったが、のこり三週間。更新のお葉書などが来るわけでもないので、本当にやばかった。
 必要な書類―戸籍謄本、住民票、収入・納税の証明書、会社の在籍証明書などを揃えて、休日に入国管理局へ。
 クソ項目が多い申請書を書くだけで30分位かかる。こんな項目必要か?というのが本当に多い。結婚の届けを日本の区役所に提出した日など、このブログを書いていなければ全く覚えていなかった。台湾側の方なら結婚記念日となるので覚えているが、こんなこと一年後に聞かれても覚えているわけがない。
 申請書を書いただけでヘトヘトだが、まだ始まってもいない。番号札をとって一時間ほど待たされる。
 書類の受理はあっという間に終わる。2週間から4週間後に通知の葉書が届くので、それをもってまたここに来なければならない。この期間のうちにラオポーの在留カードの期限は切れるが、申請しているので、期限から二ヶ月間は延長という扱いになる。

2015年10月9日金曜日

 二週間後また病院。私達の子供は6ミリほどに成長し、心臓が動いていた。一つの体に2つの心臓が動いている。
 初めて知ったが、妊娠に健康保険は使えない。一万以上の請求書を見て一瞬うろたえる。
 今後は母子手帳を貰えば、同時に補助券もらえて、安くなるというシステムらしい。医療行為なんだから健康保険がつかえないというは、納得がいかない。が、私がどう思おうがどうにもならないことだ。
 といってもまだ貰えないみたいだ、妊娠の安定期にはいってかららしい。あと一回はバカ高い診察料を払う必要がある。
 ラオポーもブーブー文句を言っているが、しょうがない。
ラオポーは妊娠してから、夜に腹痛がひどく少し寝不足だ。今回薬をもらえたから少しはらくになるだろう。
 ラオポーが妊娠した。私の仕事が休みの日に病院に行くことにしたが、一週間ほどの時間がある。
 だが、ラオポーは夜、腹痛がひどくて眠れない時があるという、出血も少々。
 ネットで調べた限り、少々の出血は問題ないらしいが、ネットの知識で判断するべき事柄ではない。私は母親に病院への同行を頼むことにした。ラオポーは妊娠が安定するまで伝えたくないというが、もしものことがあると思い、強引に病院に行くように説得した。
 仕事の合間に気になり電話すると、妊娠は間違いなく、健康状態は良好だという。
 家に帰り超音波写真をみた。まだ数ミリの大きさしかないが、確かに生きている。

いたずら

 鋭く私を呼ぶラオポーの声を聞いて、ラオポーを見た。私はラオポーの隣でまどろんでいた。
 そんなボケた頭でも、ラオポーが妊娠検査薬を凝視している表情と声を聞いて、私がついに父親になったことを知った。
 この手の悪戯をラオポーはよくやるが、私は毎回それが悪戯であることはわかっていた。今回が本当であることもすぐにわかった。

2015年10月3日土曜日

運転

 車の運転。これはラオポーの重要課題のひとつだ。  車の免許をもっているが、まともに運転できない。
 近所に買い物のついでに練習させる。
 早速、自分が道路のどこらへんを走っているかわからない!と叫びながら運転する。
 前方に電信柱、左にすごく寄っているのでこのまま行けばサイドミラーは間違いなく吹っ飛ぶ。それに赤信号だ。
 私が、はい!止まってというが、止まらない。止まらない。叫ぶ!もう吹っ飛ぶ寸前でやっと止まる。
 私が何を考えていたんだ!と怒鳴ると、ラオポーはブレーキの場所がどこか考えていた、と答えた。

2015年8月23日日曜日

それを使うのは10年後だろう。

 いつの間にクソ暑かった真夏が終わっていた。私はただただ汗を流し消耗していた。ラオポーは―それが重要だ―相変わらずだ。  日本語の勉強もあまり進んでない。毎日勉強するという約束だけは100回位させたが、実行されてはいない。日本語の上達も、すごくすごく緩やかだ。してないようりは、はるかにマシだが。  一日の終りに、私は必ずラオポーに尋ねる。今日は何を勉強したのかと。今日は”ペラペラ”という単語を勉強したという。「私の日本語はペラペラです」というセンテンスを覚えた。

2015年4月17日金曜日

電話

 仕事中、ラオポーから着信。出るとラオポーが「何してるの?」 仕事以外何をしているのか逆に聞きたい。  ラオポーは私の回答も待たずに話を始めた。面白い話があると。  内容はこうだ。  日本語教室に寝坊して一時間遅刻した、先生にもっと早く起きなさいと言われた。ラオポーは大爆笑だ。  落ちもクソもない、先生もごくごく当たり前のことを言っただけだ。  私は適当に対応し電話を切った。

子供

 ラオポーの関心事は2つ。部屋の改装と子供だ。暇さえあれば常にiPadの生理日予測アプリ的なやつを見て、最高のタイミングってやつを計算している。  最近はこういうのを妊活とか言うんだろうか。

壁紙

 壁紙をどうするか決まったらしく、ペンキと補修材をネットで買えと私に言う。ほとんどなんに使うかわからないがネットで言われるままに買った。  そのペンキやらが届いた次の日、家に変えると、寝室の床一面にビニールが敷かれ、色々と養生してある。  最近では壁紙に塗るペンキがあるらしく、それでラオポー安く部屋のくすんだ壁紙を何とかするつもりらしい。壁の傷づいたところは粘土のような補修材を壁に塗り、その上からペンキを塗るという方法だ。すでに一部の壁は塗られていて、壁紙は白さを取り戻していた。近くで見ると雑だが、ラオポーが満足ならどうでもいいことだ。

壁紙

 ラオポーが日本に戻ってきて、やりたいことがあると言い出した。部屋の改装だ。  壁紙やら床をどうにかしたいという。金が無いので自分でやると言っている。自分で壁紙をやるなんて、難しいし大変で必ず失敗するからダメだというと、幼児のように体を震わせながら「ヤダヤダヤダ」とダダを捏ねる。これは相当意思が固いということだ。私は諦めて好きにすればいいと言った。こうなるとどうにも人の言うことは聞かない。  それから数日間、私が仕事から帰ってくると必ずずっとネットで壁紙をどうにかする方法を研究している。

2015年3月28日土曜日

帰国

 ラオポーがが帰ってきた。約一ヶ月の里帰り。  あほみたいに荷物を持って帰ってきた。台湾の食べ物から火災報知機まで。  四月に友達がやってくるのでそっちに預けてある分もあるらしい。