2014年10月13日月曜日

餅投げ

 近所の神社で餅投げのイベントがあった。台風なのに。
 母はラオポーに色々と日本の事を経験させてやりたいので連れて行く。私は台風なので行きたくなかったが、行く羽目に。
 雨は降ったり、やんだりだがラオポーには、私が仕事で使っているカッパを着せてやる。ラオポーは恥ずかしがっていたが、脱ぐつもりはないようだ。そして私の斜めがけのボディーバッグを身体の前にかけた。やる気満々だ。(見ず知らずのおばさんにこのアイディアは褒められたらしい)
 台風だが神社には100人以上の人間が集まっていた。だが台風の影響で人はいつもの半分くらいだ。私はガキの頃から人の浅ましさを垣間見るこのイベントは嫌いで、始まると冷めてしまい、だいたい何も取らずに帰ってしまう。今回も荷物持ち係と撮影係だ。
 糞だるいしまらない神主の挨拶のあと(怪我しても責任は一切取らないという宣言)、餅投げが始まった。餅に群がる人々、雨、太鼓の音。混乱。
 遠くからオレンジのカッパのラオポーが翻弄されているのがわかる。五分かそこらで終わった。
 ラオポーは七個ほど餅を拾えたらしい。だが日本人の意外な攻撃性にビビっている。まさか見かけ温厚なおばさんが餅ごときにあんな暴力性を発揮するとは思っていなかったらしい。
 また一人一際クレイジーなおばさんが近くにいたようだ。普通サイズの餅に混じってたまにビッグサイズの餅が投下される。このビックサイズの争奪戦はかなり危険だ。
ラオポーの近くにもビッグサイズが降ってきた。周りの連中は一気に群がる。その餅にクレイジーおばさんが突撃、餅の上に覆いかぶさり、これは私のだー!と叫んだ。これには周囲の人間もドン引き。ラオポーは心底ビビったらしい。

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