2012年12月27日木曜日

朝早く起きる、最後の仕上げがまだ残っている。3時までにこの荷物をトランクとカバン2個に詰め込むのだ。
詰め込んでいくうちにまだまだ捨てなければならない事に気がつく。部隊にいた時から愛用していたボロボロのジャージをゴミ袋に放り込む、だいぶ迷ったが。それさえ乗り越えればあとは情け容赦なくゴミ袋に放り込むことができた。服は結局ほとんど捨てた。
やっと昼ぐらいに荷物を詰め込むことができ、絨毯をひっぺがし、照明器具を引きちぎりゴミ箱に放り込む、もう二度とやっすい和風居酒屋にあるような照明器具は買うまいと誓いながら。
あとは廊下に設置してあったコードを保護していたプラスチックを引っぺがす、ついでに床もめくれたが、他にも床がめくれているのでどうでもいい。
作業終了。
最後に残ったのはジャックダニエルとグラス。細い瓶の残りの琥珀色は5㌢ほどだった。二時間で飲むにはちょうどいい。
元通りだたっ広くなった小汚いワンルーム。ささやかな我がエンパイアはきれいサッパリこの世から消滅した。あと二時間でこの場所にいる権利さえ消滅する。充実感と喪失感とジャックダニエルをじっくり味わう。
ピンポン。マンションの管理会社の人間だ。若い兄ちゃんが慣れた感じで部屋をチェックし始める。
剥がれた壁紙に油汚れ、床にはところどころに釘穴があき、めくれ上がっている、押入れのベニアの扉にはいくつか穴があいていて雑な補修が施してある。言い訳のしようもないので、いくら請求されるかと内心ビクついていた。
しかし、押入れの扉の傷には気が付かず、壁と床だけで40000円程度で済んだ。むかしここは酷い管理会社だから一緒に戦おうとかチラシが入っていたことがあったがので大分構えていたが、ここまで部屋をボロクソにして40000円で済めば御の字だろう。
私はスーツケース一つ、バッグ2つを持ってマンションを去った。
バスに乗り、電車を乗り継ぎ、羽田空港近くの東横インへ。少し休んですぐに新橋へ移動。最後に仲の良い友達と飲む。
それからホテルに帰ると女からSkype。最後に友達と飲んでいたというと、最近ずっと最後最後って言うけど、死ぬわけじゃなんだからやめてと怒られる。

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