2013年1月27日日曜日

今日は妹の婚約者が私に挨拶に来る。正月に両親に挨拶は済ませたのだが、律儀にも私にも挨拶したいとわざわざやって来るのだ。
朝っぱらから母と妹は大掃除だ。妹はやけにピリピリしてやがる。
もう三十分で来るという頃に、父が狭い庭先でチェーンソーを振り回して庭の手入れしているのを観てキレる。
別にどうだっていいじゃないかと思うが。何にきをつかっているのか分からない。
後五分で来るといった所で妹が、私に婚約者の名前と年齢を告げた。私より一つ年下だ。苗字を聞く限り日本人の用だ。下の名前は言わなかったので男か女かはわからない。
しばらくするとやって来た。やって来た。男だ。
中肉中背、散髪したてと言った感じのさっぱりした短い髪、それなりに整ってヒトの良さそうな顔をしている。服装は小奇麗でカッターシャツにベスト。婚約者の実家に行くカジュアルな服装にこれ以外の選択肢はないと私は思った。
妹がにこやかに私に婚約者を紹介した。―彼をOと呼ぶことにする。
Oは一礼して自己紹介し、次に母に手土産を渡した。実にタドタドしい。が、それが私には好意的な印象を与えた。何度も心のなかで練習したという感じだった。
私は全くどんな人間が来るか予想をしていなかった。漠然と妹を嫁にするくらいだからもしかしたらそいつも頭がオカシイのかもしれない程度の事は思っていたが。
それが意外にも、マトモでイイ人の化身みたいな男を連れてきた。連れてきた。これはハッキリ行ってツボに入った。
私は爆笑したいのをこらえながら、一般的な話題を、探した。どうにか笑わずにOが何の仕事をしているか聞いてみた。
すると薬のネット販売の会社に務めているというので、ネット販売が解禁されて良かったですねと返すと、Oはネット販売の状況について語りはじめた。
仕事の話だけはタドタドしさは消え、立て板に水。営業的な事をしてんだろう。
それから30分くらい、話題もつきこの会談は終わった。
妹とOはこれから一緒に出かけると家をでていった。妹は出かける直前に私にありがとうと言った。妹から礼をいわれたのは何年ぶりか。
本当は私ももっと話をしようと思っていたが、一瞬でも隙を見せれば爆笑の渦に落ちてしまうので、会話はあまり続かなかった。
二人が出て行った後、母親が私がまあまあちゃんと大人の対応をしていたのに驚いたといっていた。
私は二人が出て行ってから思う存分笑った。

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